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シナモンロール

20152/15

【食べる映画。chapter.01】 なぜ北欧で日本の食文化が評価されるのか?『かもめ食堂』を観て考える

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はじめまして、ライターの若林良です。
休日は家に引きこもって、ポテチなどの不健康なものを食べながら映画にひたることが多いのですが、そんな中たまたま『食べる政治』の編集者に「食と映画について何か書かない?」と声をかけられました。

食ついて考える媒体ということで、不健康な食生活を脱却するいいチャンスだとも思い、承諾しました。
これを機に、とりあえずは映画を観ながら食べるものは、ちくわぐらいにすることができたら……と思います(笑)
そんな感じで、これから映画を「食」に絡めて書いていきます。よろしくお願いします。

 

フィンランドという国

そして本題。
みなさんは、「フィンランド」という国をご存知でしょうか。

……いや、恐らくご存知ですよね。
あまりいい前フリが思いつかなかったので、つい、このようなテンプレっぽいはじめ方にしちゃいました。
失礼いたしました(笑)

気をとり直して、フィンランド。
正式名称は「フィンランド共和国」。
北ヨーロッパに位置する、ムーミンやサンタクロースが住んでいることでも有名な国です。
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北欧の、それもアイスランドに次ぐ世界最北の国ということもあり、寒さは日本と比べれば厳しめです。
首都ヘルシンキの年間最高気温は約20度、最低気温は約マイナス10度まで下がります。

しかしながら、四季は比較的はっきりと分かれており、国土の68%が森林という、豊かな自然を堪能できる貴重な国のひとつでもあります。

 

フィンランドと日本のかかわり

そんなフィンランドですが、日本とも深いかかわりがあります。

フィンランドは日本にとって、「地理的にいちばん近いヨーロッパ」。
航空便では約9時間半、成田・中部・関西の各空港から、ヘルシンキへの直行便が存在しています。

またフィンランド人にとって日本の漫画やアニメーションはなじみ深いもので、フィンランド語、スウェーデン語、英語についで、日本語を第四言語として学ぶ人も増えています。
2005年には、北欧初となる日本語能力試験が、ヘルシンキで初めて開催されました。

 

フィンランドと日本食

また、何といっても、日本食の存在も欠かせません。

ヘルシンキには「歌舞伎」「古都」といった日本食レストランが存在し、日本の伝統的な味を現地で伝え続けています。
また、スーパーでは醤油やわさび、ごま油などを手に入れることも可能で、「東京館」という日本の食材や雑貨を扱うお店も存在しています。

日本人観光客だけでなく、現地の人にとっても日本食は身近なものと言えます。
では、なぜ日本食はフィンランドで評価されているのか。
それには、日本人とフィンランド人の国民性の近さ、というものがあるかもしれません。

ノルウェーやスウェーデンを含めた北欧の人々は、「青い目の日本人」と呼ばれることもあり、「時間に正確」「ちょっぴりシャイ」「礼儀正しい」などなど、日本人の特徴と多くの共通する部分が存在します。
ですから「食に対する意識も、日本人と似たところがあるのでは?」という想像が成り立ちます。

 

『かもめ食堂』から見えてくるもの

そして、フィンランドにおける「食」を考える上で、役に立つ映画が存在します。
その名は『かもめ食堂』

舞台はヘルシンキ。日本人の女性が開店させた「かもめ食堂」というレストランを舞台に、個性的な人々が食べ物を通して交流を深めていく様子を描く映画です。

かもめ食堂

【キャプチャ引用:かもめ食堂オフィシャルサイト

この映画の魅力は、なんといってもその「おだやかさ」にあるといえます。
かもめ食堂で3人の日本人女性が出会い、最初は客のいなかった食堂が、次第ににぎわいぶりを見せていく、といった最低限のストーリーは存在します。

しかし人が死ぬとか、店が火事で燃えるとか、そういった大きな事件は存在しません。
また音楽の劇的な盛り上がりや、登場人物が泣きわめいたりといった感情の大きな揺れ動きもなく、普段見慣れているハリウッドの大作と比較すると、“ないないづくし”の映画と言っていいかもしれません。

しかしながら、作品内に登場する美しいフィンランドの景色、なにげないようで洗練されでいる店のインテリアや一つひとつの食器、そしておにぎりやシナモンロールといった、軽いけど温かみを感じる食べ物などは非常に魅力的で、それらがハーモニーを奏でることで、観客はその心地よさに魅了されていきます。

シナモンロール

そして観終わったときには、「『かもめ食堂』みたいな暮らしがしたい!」と思えるような、そんな感情が自然に生まれてきます。

 

「憩いの場」としての食卓

『かもめ食堂』には、特別な食べ物はいっさい登場しません。
すべてが一般の家庭でも作れる、日常的なものばかりです。
でも、そうした食べ物こそが本当に重要なんだ、と私たちは気付かされます。

日本人は、食に対してよく「ほっとする瞬間」を求めます。
ただエネルギーを摂取するだけではなく、憩いの場としての食卓を求め、安心のための食を求めるのです。

この映画は、フィンランドでも大ヒットを記録し、話題の作品となりました。
なぜそうなったか、理由はさまざまでしょうが、やはりフィンランドの人々も、日本人と同じように、「なにげない幸福感」に惹かれたと言えるのかもしれません。

 

食を通じて世界を知ろう

「食べ物を通じての国際理解」というと、何か大げさなものに感じますが、根本はこの映画に描かれたような、シンプルなものであるのだと思います。

世界を新しく知るために(これも大げさですね)、またなにげない食べ物の温かみを知る上で、この映画はぜひみなさんに、おすすめしたい一作です。

それでは、今回はこのあたりで。また近くお会いしましょう。

wakabayashi
※この記事は個人の見解であり、所属する企業や団体の公式見解ではありません

【食べる政治第8号】
水産資源+サメの粕漬け

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