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20155/19

【食べる映画】Chapter.03 『バベットの晩餐会』から感じられる、「感謝のしるし」としての食卓

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こんにちは、ライターの若林です。
まず、まったくの私事から入るのですが、本5月は、私にとって他の月とちょっと違った意味合いを持っています。
というのも5月には、私の誕生日というイベントがあるからです(あえて何日かは言わない)。

…お前の誕生日なんざ興味ねーよ!という方が大半とは思うのですが、なぜこれを持ち出すかと言えば、「誕生日に何をもらったら嬉しいか」ということを、皆さんと一緒に考えてみたいと思ったからです。

 

誕生日にもらったらうれしいもの

  • 3億円の宝くじ

すごく嬉しいですが、恐らくこれは難しいですよね。財力か運がなければ相当に困難であると思います。また、突然こんな大金が降ってくると、金銭感覚が麻痺してしまいそうでちょっと怖いですね。実際、宝くじで高額当選をはたした3人のうちの2人が、結果的に自己破産に陥っているらしいので。(そもそも3億円の宝くじがあったところで誕生日プレゼントとかであげないだろ、というツッコミはやめましょう)

  • 「あの子」からの口づけ

あの子、というのが誰かはここでは言いませんが(不特定多数ということにしておきます)、あこがれのマドンナからのキスを頂戴した、となると、それだけでなんか人生がバラ色になりそうな気がしますよね。しかし恋人でもない限り、これもまた難しい。恋愛の話となると、どうしてもコミュニケーションはデリケートになってしまいますし。(キスが日常的なあいさつとして定着した、近未来の話であれば話は別かもしれませんが。←あ、でもそれだとキスのありがたみがなくなるか…)

  • サザエさんにじゃんけんで勝利

たまたま今年の私の誕生日が日曜日なのですが(これで絞られた?)、その1日の締めくくりに、国民的人気者であるサザエさんに勝利する。これだけで、他には何もいらないような幸福感につつまれそうですね。

…って、んなわけあるかい!!!

  • まごころ

経済面、恋愛面、じゃんけんがアウトとなると、残りはこれですね。

ただまごころとは、メモ帳に「まごころ!」と書いて渡せばいい、というたぐいのものではありません。言葉ではなく、態度でそれを見せることが重要となります。

逆に言えば、態度に「まごころ」が現れていれば、それはたしかに人の心を動かす材料となります。たとえば、幼稚園~小学生の子どもが書いたお父さんお母さんの絵、日ごろからの感謝の気持ちをつづった作文、または、肩たたき券やおせんたく券…。たとえお金はかかっていなくても、そこからは自分にできることを精いっぱいしようという、たしかな「まごころ」が伝わってきます。繰りかえしますが、人に何かをあげる上で大切なのは、お金よりも「気持ち」なのです。

 

料理を通して「まごころ」を伝えること

そして、「まごころ」は、料理を通しても伝えることはできます。

…はい、本題!!!

今回ご紹介するのは、まさに料理で「まごころ」を伝えることを主眼とした、デンマーク映画『バベットの晩餐会』です。1987年に制作され、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した、「映画史に残る名作」のひとつとされる作品です。

この作品が舞台とするのは、19世紀初頭のデンマーク。海に囲まれた片田舎でひっそりと生活を送る、ふたりの老姉妹が主人公となります。彼女たちは牧師であった父の影響を受け、結婚することなく人知れず神に仕える道を選びました。ある日、革命の影響でフランスから亡命してきたひとりの女性「バベット」が家政婦として現れ、彼女たちに仕えるようになります。ふたりの生活は三人になり、静かな、しかし満ち足りた生活が続きました。

そんなある日、姉妹は父の生誕100周年を記念して、ささやかな晩餐会を開いて村人を招待することを思いつきます。しかしそんな折に届いたのが、バベットが「1万フランの宝くじ」を当てたという知らせでした。姉妹はそのお金で、バベットがフランスへ帰るのだと考えます。ふたりには寂しい気持ちが膨らんできましたが、その感情をバベットの前では出さないようにすることを決めました。

その直後、バベットは姉妹にたいしてある申し出をします。それは、晩餐会の料理を自分に作らせてほしい、というもの。その材料集めも自分がすべて行うと。ふたりはせっかくだからと、バベットに一任することにします。実はバベットには、姉妹にも話していないある秘密がありました。果たして、晩餐会のゆくえは…。

ストーリーについては、これ以上はネタバレ(!)になってしまうので割愛しますが、この映画のみどころは、北欧の寒村スケッチと、バベットが出す「あたたかい」料理の対照にあります。最初はその材料(ここではいえませんが)に難色をしめす来客もいるのですが、バベットの作った料理は、彼らの心をも次第に解きほぐしていきます。最初は静かだった食卓も、そうして次第に活気あふれる交流の場となっていき、食卓は確かな「幸せの場」に変わります。

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おいしい食事は、もちろんひとりで食べてもおいしいですが、誰かとそれを共有することで、そのおいしさにはさらに深みが生まれます。この映画は、そうしたことを私たちに気づかせてくれます。

気候的には「とても寒い」北欧を舞台とした作品ではありますが、この映画を見たあとに覚えるのは、確かな「人間のあたたかみ」です。料理を作った人の確かな「人への想い」が、観客である私たちにも伝わってきたのだという。

大切な人に感謝の気持ちを伝えたい、でもどうしよう…というあなた、「手料理」でその気持ちを伝えるというのはいかがでしょうか。お金をかけなくても、定番の料理でも、確かにその気持ちは伝わると思いますよ。

長くなりましたが、今回はこのあたりで。また近くお会いしましょう。

wakabayashi
※この記事は個人の見解であり、所属する企業や団体の公式見解ではありません

【食べる政治第8号】
水産資源+サメの粕漬け

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