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一粒の種から”遺伝子組換え作物”を考えてみよう-映画『パパ、遺伝子組み換え作物ってなぁに?』-

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こどもの頃、少し変わったものに心を惹かれてしまった経験はありませんか?

今回紹介する映画に登場する男の子は、植物の「タネ」が大好きです。

フィンくんは、7才ながらも、「1つのタネから作物が作られて、それが新たな多数のタネを生み出す。すべては1つのタネから作られる」という哲学的なことを語ります。

フィンくんのパパ、ジェレミー・セイファート監督は、「こどもが生まれてから、食への関心が高まった」と話します。
彼は、食べ物について調べている内、息子の好きな「タネ」に人の手が加えられた「遺伝子組み換え作物」の存在を知ります。

この「遺伝子組み換え作物」ってなんなんだ?安全なのか?
そもそも、私たちはどのくらい口にしているんだ?

映画「パパ、遺伝子組み換え作物ってなぁに?」は、そんな疑問を抱えたお父さんが、カメラを抱えて取材をしていく話です。

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【キャプチャ引用:パパ、遺伝子組み換えってなぁに?公式ホームページ

映画内では、米国での「遺伝子組み換え作物」の状況が主に紹介されています。

では、私たちの住む日本の状況はどうなっているのでしょうか。
映画の概要とあわせてご紹介します。

 

そもそも遺伝子組み換え作物って?

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まず、遺伝子とは何かご存知でしょうか?
遺伝子は、あらゆる生物が持っており、生物の特徴や性質に影響を与えます。

「遺伝子組み換え作物」とは、ある作物に対して、異なる生物の遺伝子を組みこんだ作物です。
例えば除草剤や害虫への耐性など、本来の作物にはない性質を、作物に与えることができます。

以前から、「味の良い品種」と「乾燥に強い品種」を交配させる、「品種改良」というものがありました。
品種改良と異なるのは、一部の遺伝子だけを人工的に変えるという点です。
人間の望む性質を持つ作物を、効率的につくることができます。

ただ、自然には生まれることのない作物が誕生することになります。
そのため、「地球環境に悪い影響があるのでは」との懸念があります。

 

あなたも知らないうちに遺伝子組み換え作物を口にしている

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「遺伝子組み換え作物は使用しておりません」という表示を、スーパーなどで見たことがある人もいるかもしれません。
日本で使用が許されているのは、大豆やジャガイモ、とうもろこしなどの8品目です。

もし遺伝子組み換えのものであれば、「大豆(遺伝子組み換え)」のように表示をする義務があります。
「じゃあ『遺伝子組み換え』と書かれていないものを買えばいいんだ!」と思った方もいるかもしれません。

遺伝子組み換えでも、表示をしなくてもいい食べ物があるのです。
例えば、油やしょうゆといった加工品は、組み換えがされた遺伝子が検出できないという理由から、表示義務がありません。

私たちが日頃食べている国産の牛や豚が、輸入された遺伝子組み換えの餌を食べていることもあります。

「遺伝子組み換え作物」は、気づかぬ内に生活に入り込んでおり、口にしているというのが現状です。

 

お父さんの背中を見て考えて

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では、遺伝子組み換え作物は、完全に悪なのでしょうか?

映画中の食品会社の担当者は、「わからない」をくりかえします。
監督自身は、「遺伝子組み換え作物は、本当に安全なのか?」と自問自答します。

見た感想としては、「遺伝子組み換えは新しい技術であり、まだ安全とも危険とも断定できない」というものです。
ただ映画自体は、遺伝子組み換え作物の問題点を紹介すると同時に、私たちに判断材料を与えてくれるようなものでした。

例えば、増え続ける人口を養うためには、遺伝子組み換え作物が必要だという議論があります。
異なる農家の、異なる主張が、映画の中で紹介されています。

「最初の数年は遺伝子組み換え作物は収穫量が多い。だが継続的な収穫ではなく、じきに有機農業の方が収穫量が多くなる」
「皆が有機農業をしたら、収穫量は現在の25%になってしまう。世界の人口を支えるのには遺伝子組み換えは必要なんだ」

長期的に収穫量が増えるなら、有機農業の方が良いかもしれないが、実際はどうなのだろう。
貧困にあえいで食べ物を欲している人を養うためなら、遺伝子組み換え作物も選択肢の1つでは……。
などと考えてしまいます。

そのほか、監督が取材に行った、米国外の研究者も多数登場します。

映画中には、冒頭に紹介した「タネ」好きなフィンくんをはじめ、微笑ましい家族のやり取りもあります。
我が子のためなら空を飛んで取材に行ってしまうお父さんの姿を見ながら、「遺伝子組み換え作物」について考えてみるのはいかがでしょうか。

 

◎映画の詳細
『パパ、遺伝子組換えってなぁに?』
監督:ジェレミー・セイファート
出演:セイファート監督のファミリー、ジル=エリック・セラリー二、ヴァンダナ・シヴァ
公開:2015.4.25(土) より、渋谷アップリンク、名演小劇場ほか、全国順次公開

 

nakashima
※この記事は個人の見解であり、所属する企業や団体の公式見解ではありません。

【食べる政治第8号】
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